自然素材住宅にするべきじゃないことも?自然素材のメリット・デメリット

自然素材住宅にさえすれば、自分たちにとって最高の家になるかというと、そうとは言えません。

中には「自然素材にするべきじゃなかった」という方もいるかもしれません。自然素材のメリット・デメリットをご説明していきますので、自分がどちらに当たるか、判断してみてくださいね!

 

 

自然素材住宅の定義

建材には、接着剤やコーティング材といった、化学物質が多く使われているものが多くあります。そういった工業的な建材は、安価で高性能。しかも建材の出来不出来のばらつきがなく、均一のクオリティで仕上がるので、住宅の大量生産時代には重宝されました。

そういった工業的な建材から発生するVOC(揮発性有機化合物)が、シックハウス症候群をひきおこすなど、健康面に影響を与えることが分かってきました。そのVOC対策として、24時間換気システムの住宅への設置が義務付けられました。ただし、換気扇での空気の入れ替えだけでは、完全に対策できているとはいえません。

換気扇が有効に機能するには、家の気密性が重要!!

近年、住宅の高気密化により、VOC(揮発性有機化合物)が長期間、室内に滞留し続けることが懸念されていました。

そこで対策として導入されることになったのが、2003年の改正建築基準法で設置を義務付けられた「24時間換気システム」。改正建築基準法により、2時間に1回、室内のすべての空気を入れ替えることができるだけの風量を持つ換気扇を設置することが義務付けられました。

しかし、換気扇で正しく空気を入れ替えるためには、住宅の気密性が重要です。気密性が悪ければ、意図せぬところから空気の入れ替えが起こり、換気扇のまわりだけしか空気が入れ替わらない…ということになりかねません。住宅の気密性をあらわす数値にC値(相当隙間面積)というのがあり、C値が5.0の住宅では換気扇で入れ替わる空気はわずか17%にすぎず、残りは隙間風です。

 

 

自然素材を使うメリット

①調湿・抗菌・防カビなど、さまざまな機能がある
施工するときに接着剤を多様するビニールクロスではなく、自然素材である珪藻土や漆喰などの塗り壁を使えば、素材自体に備わっている吸放湿作用により、空気がじめっとするときは湿気を吸って、乾くときは湿気を放出してくれます。

これは、表面に目に見えない無数の気孔が存在していて、この孔が湿気をためこむことができる構造になっているからです。もちろん、除湿機や加湿器のように劇的に作用するわけではありませんが、自然素材がすこしづつ室内の湿度を適切な状態に持っていこうとしてくれます。

また、漆喰や珪藻土塗壁は強アルカリ性のため、抗菌性があり、ウイルスを不活化する働きがあります。鳥インフルエンザの予防のため、鶏舎のまわりに消石灰の粉を撒いている光景をテレビで見たことはないでしょうか。漆喰はまさにこの消石灰を原料としている材料となります。

②自然素材が持つ、香りや手触りを楽しめる
無垢床などに使われる天然木材では、醸し出す木の香りがなんとも心がやすらぐもの。仕事から疲れて家に帰ってきたとき、ヒノキの香りが鼻孔をくすぐる…、なんとも癒やされると思いませんか。また、浮造り加工といって、木目を目立たせる加工を施したものは、表面が木目に沿って凹凸ができて、足にもなんとも心地のよい刺激になります。

③VOC放出を最小限に抑えられる
そして、最も大きなメリットは、塗り壁にしろ無垢床にしろ自然素材だけで作られるので、VOCの放出を最低限に抑えてくれることです。これは、化学物質への感受性の高い小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、最も大きなメリットになってくると思います。

 

シックハウス症候群とは

VOCが原因物質となって、シックハウス症候群という症状を引き起こすことが知られています。具体的な症状としては、目・鼻・口・喉への粘膜症状(咳、刺激感、乾燥)のほか、 めまい、吐き気、嘔吐、頭痛、皮膚症状等があるとされています。化学物質への感受性の高い乳幼児などは、特に低濃度で発症してしまうこともあるのです。

そのため、新築住宅を建てる際には、特に内装材にはVOCを含有しない自然素材を選ばれるのが望ましいです。 また、素材自体はVOCを含有していなくても、たとえばビニールクロスはその壁紙用接着剤からVOCが放散されてしまいます。 ご家族がアレルギーを持っていたり、化学物質に過敏な年代のお子さんがいらっしゃる場合などは特に、気をつけてあげたいものです。

 

自然素材を使うデメリット

①見た目にばらつきがある。
見た目が均一にならないのは、自然素材のデメリットになると思います。一般的な建材は、素材を張り合わせたり、コーティングするなど、「加工」して使います。たとえば、突板フローリング材は、天然木材を薄くカットした材料(ラミナと呼びます。)を、接着剤で何層もつなげて作ります。

こうすることで、見た目が均一で、同じ品質、同じ強度のものが大量生産できるのですが、自然素材をそのまま使うとなると、そうはいきません。天然木材にはもちろん節があるものですし、色も模様もすこしづつ違うので、均一な柄にはなりません。そのような柄の違いを、味わいとして楽しむのが自然素材といえます。

②材料によっては、傷つきやすい
また、天然素材である無垢床材は、突板フローリングと比べて柔らかいため傷つきやすく、凹みやすくなります。特にパイン系の床材はとても柔らかいので、日常の使い方には注意が必要です。(白っぽい材料を選ぶのではなく、ダーク系の色合いの材料をお選びいただければ、日常の傷はあまり目立たなくなります。)また、無垢床は合板を重ね合わせた突板フローリングに比べて、乾燥による反りが発生しやすくなります。

特にお子さんが小さいときには傷はどんどん増えていきます。そのひとつひとつを、お子さんとの思い出と前向きに考えられるのであれば、自然素材に向いていると言えます。

③絵柄を自由に選ぶことができない
ビニールクロスにはディズニーのイラストをあしらったようなものがあったり、金銀を使ったり、何千というデザインから選ぶことができます。塗壁であれば、そのようにたくさんの模様を選ぶことはできません。

代わりに、塗壁ではビニールクロスでは出せない「テクスチャー」(コテ跡)を愉しむことができます。コテ跡をつけると、その凹凸によって室内照明による陰影が作られ、じつに味わい深いものとなります。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

化学物質の影響を受けやすい小さいお子さんがいらっしゃるのであれば、なるべく自然素材を多用される住宅商品を選ばれるのが良いかと思います。また、自然素材であるがゆえに、並べたときに同じ柄に均一にならなかったりというのを、味わいだと考えられるのであれば、自然素材が向いています。

逆に、傷つきにくさを重視したかったり、柄が均一に揃っていた方が好みだというのであれば、自然素材は向いていないかもしれません。果たして自分の家づくりに自然素材が合うのかどうか、一度考えてみてはいかがでしょうか。

主にYoutubeのための動画作成やチラシ作り、Webサイト作成をはじめとした広報活動や、総務事務全般を担当いたします。動画作成やパソコン・ネットワーク・AV関係が得意分野ですので、なんでも聞いてくださいね。

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