
外壁材選び次第で、家の寿命も、メンテナンスコストも変わります!

「高耐久・メンテナンスフリーな家 を建てたい」

「外壁のデザインにこだわりたいけれどコストも抑えたい」
——そんなお客様から真っ先に相談されるのが、ガルバリウム鋼板 と 窯業系サイディング の違いです。

ガルバリウム鋼板の家
本記事では、熊本県内で自然素材住宅とガルバリウム外装を手がける当社ヨカイエが、工務店目線のリアルデータ と 顧客からの生声 を交えて両者を比較。メンテナンスコスト・耐久性・デザイン性 の3軸で深掘りします!
この記事でわかること
- ガルバリウム鋼板と窯業系サイディングの構造・性能の基本
- 熊本の気候(高温多湿・塩害・地震)に合う素材はどちらか
- 15年後に差がつくメンテナンスコスト比較
目次
ガルバリウム鋼板とは?注文住宅で選ばれる理由
55%アルミ+亜鉛で錆びにくい高耐食合金
ガルバリウム鋼板は 55 %アルミ、43.4 %亜鉛、1.6 %ケイ素 の溶融合金めっき鋼板。
高い耐久性をもたらす成分は、アルミニウムと亜鉛。アルミニウムが自己修復皮膜を形成し、亜鉛が犠牲防食を行うため、従来の金属外装材のトタン(亜鉛めっき鋼板)に比べて2〜3倍の耐食性 を誇ります。(→もっと詳しく知りたい方は「ガルバリウム鋼板について」をご覧ください。)
熊本地震を踏まえた「軽さ=耐震性」メリット
建物質量が重かったり、重心が高いと地震に弱くなります。昔ながらの瓦屋根は美観・断熱・遮音に優れますが、重量があるため、現代の耐震要求を満たすには構造補強をセットで考えることが不可欠です。
逆に、鋼板系などの軽量屋根は建物全体の耐震・制振性能を底上げし、設計自由度とコストパフォーマンスを高める選択肢となります。
建物全体が重いことによる、地震時の影響
これは、地震時の加速度が同じでも、質量が増えれば水平方向の慣性力が強くなるからです。これにより、柱・梁・接合部・基礎にかかるせん断力・曲げモーメントが増え、損傷・倒壊確率が高まります。
屋根が重いことによる、地震時の影響
屋根が重いと建物の重心位置が上がり、転倒モーメントが増加、その結果、土台の浮き上がり・基礎周りの地盤破壊・ブロック塀や煙突の転倒が起こりやすくなります。
例えば延床40 坪(≈ 132 ㎡)・屋根勾配1.2の場合、
瓦屋根:おおよそ 7 t
ガルバリウム鋼板:1 t 未満
→ 屋根だけで 6 t 以上の差。地震時の水平力や転倒モーメントも同じ割合で減らせる計算になります。
屋根材 | 面密度(kg/㎡・概算) | 重い屋根基準 (瓦) を100とした相対重量 |
---|---|---|
日本瓦(和形) | 45~60 | 100 |
厚形スレート | 20~25 | 約40 |
軽量瓦(セメント系) | 15~18 | 約30 |
ガルバリウム鋼板立平葺き | 4~6 | 10以下 |
アイジー工業のSFガルステージシャインJ。金属部分は薄く、白いスポンジのような部分は、ポリイソシアヌレートフォーム断熱材となり、これにより断熱性や防音性を高めています。表面はフッ素塗料が塗布されており、遮熱性が高めてあります。
窯業系サイディングとは?90%以上の住宅で採用される定番外装

窯業系外壁の例。当社施工アパートですが、ゴミ撤去前で、すみません・・・。
繊維補強セメント板+エンボス加工で多彩なデザイン
窯業系サイディングは、セメントにパルプ繊維を混ぜて板状に成形した外壁材です。
デザインの自由度の高さが窯業系サイディングのメリット
- 成形性の高い材料のため、石積み調・タイル調・木目調 など 、立体的な模様が豊富です。基本的にはカラーリングでしかデザインをつけられないガルバリウム鋼板に比べて、大きなメリットになります。
- 材料単価がガルバリウム鋼板より 約2〜3割安くあがります。
- 釘留め工法が主流で 職人数を確保しやすく、工期が読みやすい。
- 低伝熱で裏面温度上昇が遅いため、高温でも燃えにくく、省令準耐火構造 に適合しやすい素材。
性能比較チャート|耐久・メンテナンス・防災・コスト
評価軸 | ガルバリウム鋼板 | 窯業系サイディング |
---|---|---|
耐久年数 | 塗膜グレード次第で 25〜30 年 | 基材耐久 30 年でも塗膜&シーリングは 10〜15 年 |
メンテ周期 | 再塗装 15〜20 年/シーリング不要 | 再塗装 & 目地打ち替え 10 年ごと |
初期コスト(当社比) | 1.2〜1.4 倍 | ベースライン |
重量(14 mm換算) | 約 4 kg/㎡ | 約 17 kg/㎡ |
耐震・地震時変形 | 軽量で割れにくい | 荷重増・目地割れリスク |
遮音性 | 単体では低い(対策必要) | 質量効果で高い |
塩害・凍害耐性 | フッ素膜+AZ層で強い | 塗膜劣化後の吸水で凍害リスク |
意匠性 | シャープ・金属質・モダン | タイル調・木目調など豊富 |
熊本の気候風土で本当に強いのはどっち?
台風・豪雨・塩害への耐久性
- 沿岸部(天草・八代方面) ➜ 塩害で窯業系の基材劣化例が多く、ガルバリウムが優れています。塩害対策の観点からは、耐候性を増したスーパーガルバリウム鋼板(メーカーによって、「SGL鋼板」「超高耐久ガルバ」とも言います。)というものもあります。
- 豪雨地域(阿蘇山麓) ➜ ガルバリウムの長尺金属板は窯業系サイディングに比べて継ぎ目が少ないため、漏水リスクが低いです。
- 内陸都市部 ➜ 窯業系も光触媒コートを選べば 15 年の耐久性あります。
結局、ガルバリウムと窯業系サイディングはどっちがいいの?
デザイン性の選択肢の豊富さやイニシャルコストの安さで選べば、窯業系サイディング。
耐震性やメンテナンススパンの長さ(=メンテナンスコストの安さ)、スタイリッシュな外観を求めている方はガルバリウム鋼板を選ばれるといいでしょう。

ガルバリウム鋼板
よくある質問(FAQ)
Q1. ガルバリウム外壁は夏に熱くなりませんか?
A. 遮熱フッ素塗膜で日射反射率を上げれば表面温度+5 ℃抑制可能。当社は壁内に通気層を設け、断熱材+遮熱塗膜+通気胴縁 の3層で室内温度上昇を最小化しています。
Q2. 窯業系サイディングの目地はどのくらいで割れますか?
A. 紫外線・地震動・建物の揺れで 平均8〜10年 で硬化クラックが出始めます。
Q3. 外壁リフォーム時の張替え可否は?
A. ガルバリウムは重ね張り(カバー工法)が軽量でおすすめ。
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