現在、住宅における屋根材はスレートや瓦などを抜いて金属屋根がトップシェアとなりました。
(フラット35Sの設計審査を受けた一般住宅の、「住宅仕様実態調査報告(平成29年度)」による)
ここでいう金属屋根には、ガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板が含まれますが、いずれも成分的には「ほぼ」同じもので、
メーカーが異なるので呼び方が違うと思っていただいて結構です。(また、ジンカリウム鋼板は表面に天然石粒吹付け処理がしてあることが多いのも特徴です。)
現在となってはコロニアル(スレート)を抜き、最もシェアのある屋根材となったガルバリウム鋼板ですが、
実際のところ、どうしてガルバリウムが選ばれているのでしょうか?
そもそもガルバリウム鋼板とは何なのか
JIS規格では「溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板」と呼ばれるもので、
アルミニウム55%、シリコン1.6%、亜鉛43.4%からなるメッキで処理された鋼板のことです。
つまり、芯材としては「鋼板」で、それにガルバリウムのメッキ層を付加したものをガルバリウム鋼板と呼んでいるわけです。
米国のベスレヘムスチール社で開発され、メッキの耐用年数は都市部で25年、塩害のある地域でも15年持つとの試験結果がでています。
鋼板は価格が安く、加工もしやすい素材なのですが、屋外で使用するには錆や腐食の問題が発生してきます。
これをクリアするべく、さまざまなメッキが開発されてきました。
一般的には知られているメッキでいえば、たとえば錫メッキを施したものを「ブリキ」と言いますし、亜鉛メッキを施したものを「トタン」と言っていますね。
ブリキは耐食性が低いのであまり外装建材に使われることがありませんが、トタン屋根はいまでも街で見ることができます。
アルミニウムの持つ耐食性と、亜鉛の持つ犠牲防食作用および自己修復作用がバランスよく発揮されることで、長期にわたって鋼板の錆を防ぎます。
熱反射性
光の反射率が高いので、輻射熱による表面の温度上昇が少なく、外壁材として使用したときの室内の温度上昇防止効果が期待できます。
犠牲防食
亜鉛が芯材となる鋼板より先に溶け出し表面を覆うことで、鋼板が錆びないよう犠牲となって、錆の進行を遅らせる機能です。
この犠牲防食作用が優れているため、亜鉛メッキが鋼板に多様されているのです。
不動態皮膜
アルミの表面に耐食性のある酸化皮膜が形成される現象のことで、ステンレスが錆びにくいのもこの不動態皮膜が生成されつづけるからです。
このアルミの持つ強力な不動態皮膜により、ガルバリウム鋼板は長い耐用年数と耐久性を誇ります。
自己修復作用
亜鉛が溶出した部分に、アルミニウムの酸化生成物が充填される作用のことをいいます。
耐熱性
メッキの主成分がアルミニウムになるため(成分の55%、容積の80%)、融点が570度以上と高くなっており、
長い間高温にさらされたとしても、その性質を維持することが可能です。
YOKAIEのラインナップでは、「CORE」標準仕様にて
ポリイソシアヌレートフォーム断熱材を用いた外壁材を採用しております。
内壁いっぱいに充填されているポリウレタン断熱層のさらに外側に、もう1つ断熱層ができますので、熱の出入りを防ぎ、結露を軽減する効果も期待できます。
また、ポリイソシアヌレートフォームは難燃性ですので、これを外壁に使うことで、延焼(もらい火)を防ぐ効果も期待できます。