こんにちは、ヨカイエの若松です。結露は嫌なものですね…。築50年のうちのアパートも酷くて、冬場などは窓に水滴がぐっしょり。ずっと窓の下に雑巾が置きっぱなしになっています。そのうち窓が腐るんじゃないかと思います。
このような状態を長らく放置すると、カビ菌等の発生などにより健康被害をひきおこす可能性があります。ぜひ、結露のメカニズムを知って、きたる冬に備えて、いまのうちから対策をしておきましょう!
どうして結露が起きるの?
夏場に、自動販売機で冷えたペットボトルを買ったとき、表面に水滴がつくことを不思議に思ったことはないでしょうか。
この表面の水は、どこからやってきたんでしょうか?
そう、これこそが結露という現象です。
ペットボトルに包まれた中の飲み物は冷たく、外気温は暑い状態ですので、かなりの温度差があります。この温度差こそが、結露のトリガーとなります。暖かく湿った空気中に含まれる湿気が、冷えたペットボトル表面に近づくと、空気が急速に冷やされますので、水滴となるのです。
??どういうこと?空気は冷やしたら水になるってこと?
なぜ温かく湿った空気を冷やしたら、水分に変わったのでしょうか。
空気が何グラム水蒸気を溜め込める状態なのかは気温で決まるのですが、空気は温度が高いほど、空気中に含むことのできる水蒸気量が多いからです。ある温度のときに、含むことのできる最大の水蒸気量を「飽和水蒸気量」といいます。
気温が下がると、空気中に含むことのできる水蒸気量が減るため、含みきれなくなった水蒸気が液化して、水として目に見える形で出現するということなんです。これが結露のメカニズムです。
高断熱な窓を使うと結露は起こりにくい
冬場の窓に結露が発生するのは、室温と外気温の差が大きいからです。冬場は窓ガラスがキンキンに冷えていますので、室内の暖かい空気が、窓辺の冷えたガラスに近づくにつれ急速に冷やされ、液化することで、結露という現象になります。この結露を起こさないためにどうするか。
窓ガラスが冷えていなければいいわけです。
温かい室内に、冬の外気温を伝える「冷えた窓」が存在するのがよくないわけです。なので、断熱性の高い窓ガラス・サッシにする必要があります。窓と一言で言っても、外枠であるサッシ部分とガラス部分に分かれており、どちらの断熱性が低くてもいけません。
ガラスの断熱性能は、実はガラスそのものの性能ではない
窓ガラスといえば、一昔前は1枚ものの単板ガラスでしたけど、いまどきはアパートでも「ペアガラス」が主流になってきています。とくに新築一戸建てでは、Low-Eと呼ばれる薄い金属膜を塗布して赤外線を減衰させ、断熱性を高めたLow-Eタイプのガラスが主流です。
窓ガラス製品には断熱性に差があるのに、実はガラスそのものに断熱性能はほとんどないといったら、どう思いますか…?
窓ガラスで断熱性を発揮するのは、ペアガラスやトリプルガラスに挟まれた空気層なのです。空気は実は優秀な断熱材でして、そもそも地球が極寒の宇宙よりも暖かく保てているのは、地球全体が空気に包まれているからです。さらに一歩進めて、空気のかわりにより断熱性の高いアルゴンガスなどを封入したものもいまは多いです。
ガラスをはめる枠とあなどるなかれ。サッシも断熱性には超重要!
サッシ枠も、かつては耐候性の高いアルミサッシが主流でした。太陽光や雨風に長期間晒される建材ですので、とにかく耐候性が重要でした。かつての木製窓に比べて、雨ざらしになっても朽ちないのですから、当時としては画期的でした。
しかし、アルミニウムは熱伝導性がとても高い物質です。耐候性はいいとしても、外気温をそのまま室温に伝えてしまいます。そのため、現在では新築戸建て住宅用にアルミサッシが使われることはなく、「樹脂アルミ複合サッシ」「樹脂サッシ」「木製アルミクラッドサッシ」などに置き換わっていきました。
性能的にはアルミクラッドが最も高いですが、値段が非常に高価でコストパフォーマンスがよくないため、樹脂サッシか樹脂アルミ複合サッシが現実的かなと思います。樹脂サッシは耐候性が心配になる方もいるかと思いますが、耐候性に優れるPVC樹脂製ですのでアルミと遜色ない耐候性を発揮します。(PVC樹脂は、何十年も使い続ける水道管などに使われるものですので、そう簡単にボロボロにはなりません!)
結露が家中の窓で起きるとなると、カビが繁殖して健康が損なわれることもあります。アトピーやアレルギーの原因にもなりかねません。
これから家を建てるかたは、窓の断熱性能に気を使って欲しいと思います。また、すでに家を建てている方ができる対策としては、内窓をつけるというのがありまして、そういった窓リフォームには国土交通省が毎年補助金を出していますので、そちらで対策するのが良いかなと思います。
断熱性や省エネ、補助金などについては、当社で行っている勉強会でもよく取り上げる人気のテーマですので、ご興味がある方は、当社の家づくり勉強会にご参加くださいね。
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