マイホームの計画を立てる際、

「リビングに畳スペースが欲しい」

「和の空間でリラックスしたい」
・・・と考える方は非常に多いでしょう。しかし、純粋な「和室」として独立させるにはスペースが足りないし、何よリビングの開放感を損ないたくない、といった理由から、近年注目を集めているのが「畳コーナー」です。
リビングの一角に設けられる畳コーナーは、現代のライフスタイルに「和の安らぎ」と「機能性」をプラスする、まさに魔法のようなスペースです。しかし、その導入にはメリットだけでなく、知っておくべきデメリットも存在します。
本記事では、畳コーナーを検討している全ての方に向けて、その魅力、後悔しないための注意点、そして具体的なプランニングのコツまで徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたの理想とする畳コーナーが見つかるはずです。
目次
畳コーナーとは何か?なぜ今、注目されているのか
畳コーナーとは、リビングやダイニングなどの洋室空間の一部に設けられた畳敷きのスペースのことを指します。従来の「和室」のように独立した部屋ではなく、建具(ドアや引き戸)で完全に仕切らずに、一体の空間として設計されるのが一般的です。

この畳コーナーが現代の家づくりにおいて人気を集める背景には、以下の理由があります。
- 多様化するライフスタイルへの対応
リモートワークの普及や、自宅で過ごす時間の増加に伴い、一つの空間内で様々な活動(仕事、休憩、子育て、団らん)を行いたいというニーズが高まっています。畳コーナーは、その多目的な使い勝手の良さから、現代のライフスタイルに非常にフィットします。- LDKの開放感と和の癒やしの両立
壁で仕切られた和室は、LDKの空間を分断してしまいますが、畳コーナーであれば、開放感を保ちつつ、い草の香りや肌触りといった「和の癒やし」を取り入れることができます。- 限られたスペースの有効活用
特に都市部の住宅や、限られた敷地面積での家づくりにおいて、独立した和室を設けるのは難しい場合があります。畳コーナーは、わずか2帖〜4.5帖程度のスペースでも十分な機能を発揮するため、空間効率に優れています。
畳コーナーは、単なる「和風インテリア」ではなく、LDKの使い勝手を劇的に向上させる「機能的なサードプレイス」として、その価値を増しているのです。
パート1:畳コーナーが叶える劇的なQOL向上!圧倒的なメリット
畳コーナーの最大の魅力は、その多機能性と、生活の質(QOL:Quality of Life)を向上させるリラックス効果にあります。ここでは、具体的なメリットを詳細に解説します。
1. 多様な用途に対応するマルチユース空間
畳コーナーは、その時々の家族のニーズに応じて、さまざまな役割を果たします。単なる休憩スペースに留まらない、フレキシブルな活用法が最大のメリットです。
(1)究極のリラックス・休憩スペース
フローリングの上に座ったり寝転がったりするのは固く、ラグの上では物足りない。畳コーナーは、そんな悩みを一気に解消します。い草特有の適度な弾力と調湿作用は、身体を優しく受け止め、ゴロゴロと横になるのに最適です。
特に小上がりにすることで、床の冷たさから解放され、より快適な寝転び体験が得られます。
例えば、
- 食後の休憩
- 読書タイム
- 昼寝など・・・
ソファとは一味違う、リラックス空間を提供してくれます。
(2)子育て・遊び場としての安全性と利便性
小さなお子様がいる家庭にとって、畳コーナーは非常に大きなメリットをもたらします。
- 安全な遊び場
畳はフローリングに比べて柔らかく、転んだ際の衝撃を吸収してくれます。ハイハイをする赤ちゃんにも優しく、安心して遊ばせることができます。- おむつ替えや着替えのスペース
LDKから離れることなく、フラットで清潔なおむつ替えスペースを確保できます。- おもちゃの収納場所
特に小上がりタイプの畳コーナーであれば、段差下のスペースをおもちゃ収納に活用でき、リビングの散らかりを防ぐことができます。
(3)集中できるワーク・スタディスペース
リビング学習やリモートワークの場所としても、畳コーナーは適しています。小上がりにカウンターを設けることで、集中できる半個室のような空間を作り出すことが可能です。
集中力の向上
LDKの賑やかさから適度に距離を置きつつ、家族の気配を感じられる絶妙な距離感が、集中力を高めます。正座・あぐらで姿勢をリセット
椅子に座り続けるのに疲れた時、畳に座って作業をすることで、姿勢をリセットし、体の負担を軽減する効果も期待できます。
(4)来客時のおもてなしスペース
親族や友人が泊まりに来た際、独立した和室がない場合でも、畳コーナーがあれば急な宿泊にも対応できます。お客様に心地よく過ごしてもらえるよう、布団を敷くスペースとして利用することが可能です。
2. 空間デザインと心理効果による癒やし
畳コーナーは、機能面だけでなく、空間に与える心理的な影響も計り知れません。
(1)LDKに和のアクセントをプラス
洋風に偏りがちなLDKの中に畳という異なる素材を取り入れることで、空間全体にメリハリが生まれ、デザイン的な深みが増します。琉球畳(縁なし畳)や、カラー畳を選ぶことで、モダンな雰囲気を保ちつつ、和の要素を取り入れることも可能です。
(2)い草の香りと調湿作用
畳特有のい草の香りには、アロマテラピー効果があるとされ、心を落ち着かせ、リラックスさせる効果があります。また、い草には湿気を吸ったり吐いたりする調湿作用があり、夏は涼しく、冬は暖かく感じさせるため、快適な居住空間の維持に貢献します。
※ただし畳コーナー用の畳としては、現在はポリプロピレンを主成分とした樹脂製の畳が主流になりつつあります。
3. 実用的な機能性
畳コーナーの設計次第で、さらなる実用的な機能性を付加することができます。
(1)小上がり下の圧倒的な収納力
畳コーナーを一段高くする「小上がり」タイプにすることで、床下のデッドスペースを大容量の収納スペースに変えることができます。
引き出し式収納
頻繁に使うもの(おもちゃ、文房具など)を収納するのに便利です。跳ね上げ式収納
季節の衣類や、客用の布団など、かさばるものを収納するのに適しています。
リビング収納が不足しがちな現代住宅において、この収納力は非常に大きな魅力となります。
(2)段差を活かした腰掛け・ベンチ
小上がりの段差を、リビングのソファの延長として利用できます。段差の高さ(30cm〜40cm程度)をベンチとしてちょうど良い高さに設定することで、大人数の来客時にも腰掛けとして活躍します。
【動画で体感!】わずか2帖でもQOLは劇的に向上する!
ここまで畳コーナーの多大なメリットについて解説してきましたが、「うちにはそんな広いスペースはない」と諦めていませんか?
畳コーナーの魅力は、その広さではなく「存在すること」そのものにあります。
実は、畳コーナーはわずか2帖程度のスペースでも、劇的にQOLを向上させることが可能です。 2帖の畳コーナーがあれば、大人がゴロゴロと横になれるスペースを確保でき、子供の遊び場としても十分な広さです。さらに、カウンターを設置すれば、PCを使った作業も可能です。
「広いスペースがないから」と諦める前に、ぜひ以下のショート動画をご覧ください。
「2帖の畳コーナーが、いかに暮らしを豊かにするか」 を、短い動画の中で分かりやすく、そして魅力的にご紹介しています。
QOLが劇的に向上!【2帖】の畳コーナーが叶える新しい暮らし方
チャンネル名:ヨカイエ株式会社
動画では、建具をつけないことでリビングとの一体感を保ちつつ、2帖のスペースで「寝る」「遊ぶ」「絵を描く」「勉強・仕事をする」といった多様な使い方ができる様子が確認できます。
- 畳コーナーにゴロゴロと転がって和室へ行けるシームレスな動線 [00:00]
- 2帖のスペースでも十分な便利さを実感 [00:07]
- 子供の遊び場として活用する様子 [00:16]
- 仕事や勉強に使える多目的性 [00:29]
畳コーナーの設置を検討されている方はもちろん、間取りに悩んでいる方も、2帖というミニマムな畳スペースの可能性に驚くはずです。
ぜひこちらの動画をチェックして、あなたの家づくりにお役立てください!
QOLが劇的に向上!【2帖】の畳コーナーが叶える新しい暮らし方 #畳コーナー #2畳 #QOL向上 #ミニ畳スペース #リビング #家づくり #間取り #インテリア #快適な暮らし #shortsリビングに併設した【2帖】の畳コーナー。「狭いかな…?」と思ったそこのあなた!実はこのわずかなスペースこそ、あなたのQOLを爆上げしてくれる最強の多機能空間なんです!今回のショート動画では、この2帖の畳コーナーを最大限に活用するアイデアをご...
後悔しないために!知っておくべき畳コーナーのデメリットと対策
畳コーナーは非常に魅力的ですが、導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、デメリットとそれに対する対策を事前に理解しておくことが重要です。
1. 掃除・メンテナンスの手間と懸念
畳という素材は、フローリングにはない独特のメンテナンスが必要になります。
(1)カビ・ダニの発生リスク
い草は天然素材であり、湿気を吸いやすい性質を持っています。そのため、風通しが悪く、湿度が高い環境下ではカビやダニが発生しやすいというデメリットがあります。特に窓際や、空気の循環が滞りやすい場所に設置する場合は注意が必要です。
- 対策:
- 素材の選択:最近では、和紙や樹脂を素材にした畳(ダイケン畳など)があり、これらは撥水性が高く、カビやダニが発生しにくいというメリットがあります。
- 日常のケア:晴れた日には換気を行うこと。畳の目に沿って掃除機をかけ、乾拭きを行うことが基本です。
(2)掃除の煩雑さ(段差、異素材)
小上がりの場合、段差があることで、ロボット掃除機が使えない、掃除機をかける際に持ち上げなければならない、といった手間が生じます。また、フローリングと畳という異素材が接することで、ゴミが境界に溜まりやすいという問題もあります。
- 対策:
- フラットタイプ:段差のないフラットタイプを選ぶことで、掃除の手間を軽減できます。
- ハンディクリーナーの活用:小上がり周辺や段差の掃除用に、手軽に使えるハンディクリーナーを用意する。
(3)摩耗・変色
直射日光が当たる場所に設置すると、畳が日焼けして変色しやすくなります。また、重い家具を置くと畳がへこみ、跡がつきやすいという問題もあります。
- 対策:
- 設置場所の検討:直射日光が長時間当たる場所は避ける。
- 家具の制限:重く大きな家具の設置は避け、畳の保護具(家具パッドなど)を使用する。
2. コストの増加と費用の内訳
畳コーナーの設置は、通常のフローリングの施工に比べてコストが増加する要因となります。
(1)小上がり造作費用
畳を一段上げる「小上がり」タイプは、収納やベンチといった機能性が増す分、大工による造作費用や設計費用が発生するため、フラットタイプに比べて数十万円単位でコストが上がることが一般的です。特に、引き出し収納や跳ね上げ式収納を設ける場合は、その分コストも高くなります。
(2)畳自体のグレードアップ費用
標準的な畳ではなく、耐久性やデザイン性を重視して「縁なし畳(琉球畳)」や「和紙畳・樹脂畳」を選ぶ場合、一般的な縁あり畳よりも価格が高くなります。
- 対策:
- コストの把握:事前に工務店やハウスメーカーから、小上がり造作、収納オプション、畳の種類ごとの詳細な見積もりを取得し、予算を明確にする。
- サイズの見直し:動画で紹介されているように、2帖でも十分な機能を発揮できます。不必要に広くせず、必要な機能と広さに絞ることでコストを抑えることができます。
3. バリアフリーの課題と安全性
特に小上がりタイプの畳コーナーは、バリアフリーの観点からデメリットが生じます。
(1)つまずきの危険性
小上がりの段差は、特にお年寄りや小さなお子様にとって、つまずきやすい箇所となります。夜間や急いでいるときなど、思わぬ事故につながる可能性があります。
- 対策:
- 段差の高さ:段差の高さを、上り下りがしやすい高さ(目安として30cm〜40cm程度)に設定する。
- 視認性の確保:段差の角に目立つ素材を使ったり、間接照明やフットライトを設置したりして、段差を際立たせる。
- 手すりの設置:高齢者がいる家庭では、段差の横に手すりを設けることを検討する。
- フラットも検討:将来的なバリアフリーを重視するなら、フラットタイプの畳コーナーを選択する。
4. レイアウトと動線の制約
畳コーナーを設けることで、LDK全体のレイアウトや動線に影響が出る可能性があります。
(1)家具配置の制約
畳の上には、足の細い家具や重すぎる家具を置くことは推奨されません。家具の跡が残りやすく、畳を傷める原因となるためです。そのため、畳コーナーの使い方は、座卓や座椅子などに限定されることが多くなります。
- 対策:
- ゾーンの明確化:畳コーナーを完全にリラックス・フリースペースとして割り切り、家具は置かない前提で計画を立てる。
- 補強板の活用:どうしても家具を置きたい場合は、畳の上に厚めの補強板やカーペットなどを敷くことを検討する。
(2)動線の妨げ
畳コーナーがLDKの中心に近い位置にあると、リビングからキッチンへの動線や、玄関から奥の部屋への動線を遮ってしまう可能性があります。
- 対策:
- 奥まった配置:LDKの隅や窓際に配置し、主要な動線から外れた「隠れ家」的な場所に設ける。
- 出入口の調整:小上がりの場合は、上り口を動線に沿って広く取るなど、出入りのしやすい工夫をする。
パート3:失敗しないためのプランニング術と後悔対策の極意
畳コーナーを最大限に活かし、デメリットを最小限に抑えるための具体的なプランニングのコツをご紹介します。
1. 最適な広さと配置の決定
畳コーナーの成功は、広さと配置で8割決まります。
(1)広さの目安:2帖の可能性
- 1帖:座椅子を置いて一人で休憩する「プライベートコーナー」として。収納力を重視する場合の最小単位。
- 2帖:動画で紹介されているように、大人一人が横になり、子供が遊ぶのに十分な広さ。最もコストパフォーマンスに優れ、QOL向上効果が高いサイズ。
- 3帖〜4.5帖:客用の布団を敷ける実用的な広さ。多目的に使うためのカウンターや収納を設ける余裕が生まれます。
【ポイント】:まずは2帖から検討を始めることを強く推奨します。広さで迷ったら、動画の事例を参考に、2帖で実現できる機能を確認してみてください。
(2)小上がり vs. フラット:用途による選択
タイプ | メリット | デメリット | おすすめの用途 |
小上がり | 収納力が高い、段差がベンチになる、空間にメリハリがつく、ホコリが入りにくい。 | コストが高い、掃除が煩雑、バリアフリーに課題、つまずきの危険。 | 収納を最優先、ベンチとして活用したい、空間を明確に分けたい場合。 |
フラット | バリアフリー、掃除がしやすい(ロボット掃除機が使える)、コストが抑えられる、LDKとの一体感がある。 | 収納スペースがない、ホコリやゴミが入りやすい、空間の区切りがあいまい。 | 開放感を最優先、バリアフリーを重視、小さな子供がいる家庭。 |
2. 畳の種類と素材の選び方
現代の畳は、天然のい草だけではありません。メンテナンス性やデザイン性を考慮して、最適な素材を選びましょう。
(1)縁なし畳(琉球畳)
- 特徴:畳の縁がなく、部屋全体がスッキリとしてモダンな印象になります。
- メリット:デザイン性が高い。
- デメリット:縁あり畳よりも高価。
(2)和紙畳・樹脂畳(高機能畳)
- 特徴:和紙やポリプロピレンなどの素材でできています。
- メリット:
- 耐久性:日焼けによる変色が少ない。
- メンテナンス:撥水性が高く、カビやダニが発生しにくい。汚れが拭き取りやすい。
- 多様な色:豊富なカラーバリエーションがあり、モダンなインテリアにも合わせやすい。
- デメリット:い草の香りや調湿作用は期待できない。い草より高価。
【提案】:メンテナンスの手間を減らしたいなら、初期費用はかかっても「和紙畳・樹脂畳」を選ぶことで、長期的なQOLの維持に貢献します。
3. 照明と内装計画
畳コーナーを「特別な空間」にするためには、照明計画が欠かせません。
(1)間接照明の活用
小上がりの段差の側面に間接照明(フットライト)を仕込むことで、夜間に段差を際立たせ、つまずき防止に役立ちます。また、天井を堀り上げてダウンライトや間接照明を設置することで、落ち着いた雰囲気の癒やし空間を演出できます。
(2)壁紙・天井材の工夫
畳コーナーの壁の一面や、天井のみを、LDKと異なる色や素材(例えば、和紙調の壁紙や木目調の天井)にすることで、空間に区切りをつけ、より特別な場所という印象を高めることができます。
4. 建具(仕切り)の有無と役割
動画で「縦具をつけないことによってゴロゴロっと転がって和室に行けます」とあるように、建具の有無は畳コーナーの雰囲気を大きく左右します。
- 建具なし:LDKとの一体感が生まれ、開放的な空間になります。動画の例のように、シームレスな動線が生まれます。
- 引き戸あり:急な来客時や、リモートワークで集中したい時に、空間を完全に仕切ることができます。エアコン効率も向上します。
【提案】:普段は開け放しておき、必要な時だけ閉められる「引き込み戸」や「間仕切りスクリーン」を採用するのが、開放感と機能性を両立させる最善策です。
まとめ:畳コーナーは「未来の暮らし方」を変える
畳コーナーは、単なる「和の要素」の取り入れではなく、現代の住まいに求められる「多機能性」「リラックス効果」「空間の効率的な活用」** の全てを満たす、理想的な空間です。
確かに、掃除やバリアフリーといったデメリットは存在します。しかし、本記事で解説したように、素材の選択、サイズの検討、適切な照明計画といった具体的な対策を講じることで、これらのデメリットは十分に克服可能です。
特に、動画でご紹介した「2帖の畳コーナー」は、日本の住宅事情に非常にマッチした、非常に賢い選択肢です。広いスペースを確保できなくても、たった2帖で、あなたの家族のQOLは劇的に向上します。横になり、遊び、働き、そして癒やされる。畳コーナーは、家族の絆を深め、日々の生活にゆとりをもたらす「心の拠り所」となるでしょう。
家づくりを後悔しないためにも、畳コーナーのメリットとデメリットを深く理解し、あなたのライフスタイルに最適なプランニングを進めてください。
そして、迷った時には、まずは「2帖の畳コーナーの可能性」を体感するために、再度こちらの動画をご覧ください。
QOLが劇的に向上!【2帖】の畳コーナーが叶える新しい暮らし方

あなたの家づくりが、畳コーナーによってさらに豊かになることを願っています。
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