こんにちは、ヨカイエ株式会社総務の若松です。
総合建材メーカー「YKK-AP」さんの工場(YKK-AP九州製造所)が八代外港(熊本県八代市)のそばにあるのは、親戚のおじさんが働いているので知っていたのですが、ナントこのたび見学させていただけるということで!事務所のある熊本市から車で30分ほどかけて行って参りました。
こちらの工場ではアルミサッシ等を生産されているようなのですが、その敷地内に体験型施設「P-STAGE八代」があるということなんですね。
工務店などプロ向けのショールームですので、一般の方が見学できるかどうかは分かりません(すみません!)。
省エネ住宅に欠かせない高性能建材を体感できる施設「P-STAGE八代」
YKK-APさんの高性能窓や断熱玄関ドアには、省エネ住宅を提供していくうえで当社でもお世話になっているのですが。しかし、いくら計算上省エネ性能がいくら優れているといってもですよ、身をもって比較でもしなければ、「この商品はこんなにスゴイんだ!」とは、自信をもってお客様に勧められませんよね。
そこでこのプロ向けショールームの「P-STAGE」(熊本県八代市)なんです。
性能の違う窓サッシを並べて、身をもって温度差を実感できたりする素晴らしい施設です。サッシの種類の違いによる差や、ガラスの枚数による差も比較できます。
当社が採用しているYKK-APさんの製品
・樹脂窓の「APW-330」「APW-430」シリーズ
・アルミ樹脂複合サッシ「エピソードⅡNeo」「コンコードS30」
・高断熱ドア「ヴェナートD30(D2仕様・D4仕様)」
断熱オタクの私としては、たいへん勉強になる施設でしたので、せっかくですのでこの施設の素晴らしさを世に広めたいと思いました!
アルミの製造工程から、窓サッシやエクステリアの展示など、幅広い製品を見学できます
上の画像はP-STAGE八代の見取り図ですね。YKK-APさんの製品は住宅用の窓サッシだけではありません。
ビル用の窓サッシや、構造フレーム製品などありますので、それらも展示されています。個人的には、従来型アルミサッシと樹脂窓の比較体験ができるコーナーがとてもためになりました。
屋外にはエクステリア製品も展示されています。当社は外構工事も積極的に行っていますので、そちらも興味深く見学させていただきました。
プレゼンテーションルームでの座学が、視察の半分くらい。
創業当時はファスナーメーカーYKK(当時は吉田工業)を販売する会社だったというYKK-APのなりたちなどを座学で学びながらも、じつはすぐにでも体験コーナーに行きたくてウズウズしていたのはYKK-APさんには内緒ですよ!
YKK AP株式会社(ワイケイケイエーピー、英: YKK AP Inc.)は、アルミ建材メーカー。1957年に吉田工業(現 YKK)の製造したファスナーの輸出・営業部門として吉田商事株式会社として設立される。
1990年にYKKグループの建材事業の中核会社としてワイケイケイアーキテクチュラルプロダクツ(略称 YKK AP)に商号変更。2002年にYKK AP株式会社に商号変更し、2003年にYKK株式会社の建材製造事業本部と統合される。
アルミサッシの国内シェアは第1位。(Wikipediaより引用)
単板ガラスと複層ガラスの性能比較コーナー
これは単板ガラスと複層ガラスで、どれほどの温度差が生じるのかという比較。
写真手前側が室内21.5度、湿度36.7%という状況で、ガラスの向こうはマイナス1.5度に設定してあります。単板ガラスも複層ガラスも、いずれもサッシはアルミという環境下での実験です。マイナス1.5といえば、熊本だと1月~2月くらいの極寒の季節でしょうか。
窓ガラスはいかにして断熱性を発揮するのか
複層ガラスの場合、ガラスとガラスの間にはさまれた空気(もしくはアルゴンガス)が、優れた断熱性能を発揮することになります。あまり知られていませんが、じつは空気は優秀な断熱材なんですよ!
これもあまり知られていませんが、ガラスそのものは、いくら厚くしようが断熱性能はほとんどありません!なので、防風性能を高めるためにガラス厚を増やすと断熱性能が下がるという現象が起こるわけです。
ということは、単板ガラスは空気を閉じ込めることができないので、断熱性能がほとんどないということになります。
室内21.5度で外気マイナス1.5度ですので、その差は実に23度。
単板ガラスでは9.3度にまで下がりましたが、複層ガラスでは14.7度を保つことができていました。触るともっとわかりやすいです。
窓の性能を決めるは、ガラスの枚数だけじゃない!サッシの種類でも全く性能が変わる!
こちらは、APW330(Low-E複層樹脂サッシ)とAPW430(Low-E三層樹脂サッシ)の比較。
ガラスが2枚と、3枚の比較ですね。正直、トリプルの優位性というか、温度差がそこまでわかりませんでしたが、室温が-1.5度のときにガラス表面を19.3度に保てるのはすごいですよね。
このAPW330やAPW430というのは、「樹脂サッシ」と言われるもので、従来のアルミサッシの「外気の熱を室内に伝えてしまう」という欠点を克服しているものとなります。(PVC樹脂の熱伝導率は、アルミの1/1000!)
窓の性能は、サッシでも大きく変わる!樹脂サッシと複合サッシ、アルミサッシの違い
サッシは当然ながら熱を伝えにくいものでないと、いくら窓ガラスが優秀でもサッシを伝って外気の熱が室内に伝わってしまいます。そのため、熱伝導率が高いアルミサッシなどは、省エネ性能的にはとても厳しいと言わざるを得ません。しかし、かつてアルミサッシがどうして主流だったのかというと、その優れた耐候性にありました。
いまは熱を伝えづらい樹脂製サッシが開発されたため、住宅用窓サッシでは省エネ性能の低いアルミサッシはほぼ見られなくなり、樹脂サッシやアルミ樹脂複合サッシが主流となっています。アルミ樹脂複合サッシは、屋外側がアルミで室内側が樹脂で出来ていて、樹脂窓には及びませんが、高い省エネ性能を持っています。
アルミ合金はいかにして製造されるか
ボーキサイトを原料として作られる、アルミ新地金のインゴット(約20kg)。これを溶解炉で約1100度で溶かしたのち、マグネシウムやシリコンを加えてアルミ合金を作ります。
円柱形のビレットを作り、それを加熱した押出金型を使って、押出機でおよそ4000tの力を使ってアルミ形材を作ります。
エクステリアパークで説明を受けるヨカイエメンバー。
カーポートやポスト、フェンスといったエクステリア製品の実物を見ることができます。
すぐとなりにYKK-APの九州製造所があります。アルミの製造工程見たかった…。こちらでは樹脂窓はつくられていないそうです。
もし、この九州製造所に樹脂窓のラインができれば、APWの単価は一気に下がると思いますが、ライン作るのに何億とかかるので、九州のハウスメーカーや工務店のみなさんがYKK-APの樹脂窓をたくさん売ってくれないと無理だと言われました。
YKK創設者の吉田忠雄記念室も併設されていました。
ファスナー生産でYKKを大企業にしましたが、いまでもファスニング事業はYKKの中核事業となります。もっとも、売上高的には建材事業であるYKK-APのほうが多くなってはいるみたいですね。
お家づくりをお考えのかたは、当社に連絡いただければご案内させていただきますよ~
コメント
馬場政夫と申します。
是非、YKKapのP-STAGEを見学、体験をしたいです。
参加するには、どうしたらいいですか。
是非、参加させてください。