
静岡県熱海市での土石流事故を覚えていらっしゃるでしょうか。
熱海市伊豆山土石流災害は、2021年7月3日に静岡県熱海市伊豆山地区で発生した大規模土砂災害で、死者28名、建物136棟が被害を受けました。
このとき、被害が拡大した原因が山間部の違法盛土。
盛土とは、土を盛ることで地盤を作る土木工事のことで、崩落の危険性の高い工事のため、この熱海の事故の前にも、盛土を規制する法律はいろいろとありましたが、盛土規制が十分ではないエリアがありました。そのため、危険な盛土を全国一律の基準で、包括的に規制する法制度が必要ということになりました。
これにより作られたのが、2023年5月に施行された「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称「盛土規制法」)です。昭和36年に制定された宅地造成等規制法を改正したものです。
この盛土規制法の規制区域が、2025年4月1日より県全域を対象として規制区域の指定が行われることとなりました。いままでは荒尾市の一部だけの指定だったんですが、人が住まないような山奥にまで規制エリアが設定されているようです。
熊本市は西区をのぞいてほとんど規制区域はないようですが、逆にそれ以外は山間部であろうとほぼ全域に規制区域が敷かれることになりました!
その理由としては、熊本県の資料によると「災害が発生する危険性のない区域はないとの判断から、県民の生命・財産を守るため「全域」を規制区域に指定することとしました」とのことです。
なお、上記規制案に緑色の部分と、ピンク色の部分、灰色の部分がありますが、緑色の部分が特定盛土等規制区域、ピンク色の部分が宅地造成等工事規制区域になります。(灰色の部分は規制エリア外)
宅地造成等工事規制区域
市街地や集落など盛土等が行われれば人家等に危害を及ぼしうるエリア
特定盛土等規制区域
地形等の条件から、盛土等が行われれば人家等に危害を及ぼしうるエリア等
盛土が発生する工事としては、いろんなパターンが考えられますが、①宅地造成にかかるもののほか、②土木工事で発生した土砂を仮置き場に置く場合、③廃土処分業を営むときなど、大量の土砂が発生するさまざまな工事が考えられます。
今後、盛土が必要になるような、開発が必要な土地で家づくりをする場合には、この盛土規制法の手続きで費用の増加・着工に期間がかかることになります。これから家づくりをされる方は、頭の片隅にいれておくとよいかと思います。
ではでは!
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