今回は建築にまつわる神さまの話をします。
家づくりにおいて、土地を購入して、まず最初にすることは何でしょうか。もちろん地盤調査もそうですが、日本ではまず地鎮祭を執り行って、土地神様にこの土地を使わせていただくことの許しを得るのです。建築にあたって、日本では昔からこのような神事を執り行ってきました。
いまどき地鎮祭なんてやるの?
かれこれ10年ほど建築業界に居りますが、地鎮祭を行わなかった現場を見たことはありません。同様の儀式で起工式がありますが、内容としては同じようなもので、公共工事では起工式ということが多いようです。(その他、安全祈願祭という言い方もあるようです。)
地鎮祭であれば、土地の守護神である産土大神(うぶすなのおおかみ)様にこの土地を使わせてもらうことの許しを得るわけですが、地鎮祭以外でも、施主様が大事にされている神さまがいらっしれば、それを尊重して工事を進めていくことになります。
施主様の持参物について
一般住宅であれば、施主様はお供え物と初穂料(玉串料)を用意します。儀式で使う笹竹、砂などを持参する必要があるケースもありますが、工務店や神主さんが用意してくれる場合がありますので、工務店の担当者におたずねください。
お供え物は、米や塩、いりこ、奉献酒(奉献酒は一升瓶二本の清酒)、海の幸、山の幸(野菜、果物)などを奉げます。
初穂料は、相場は3万円~5万円くらいで、奇数が良いとされています。※当社ではお供えものはすべて準備させていただきますので、初穂料以外には何もご持参なさる必要はございません。
祭場は南側に面した場所に設け、四方に斎竹(いみたけ)を立て、注連縄(しめなわ)を張ります。
中央に神籬 (ひもろぎ)を設け、神様の臨時の依代とします。
熊本県特有の神様「三月荒神」
配慮すべき神さまとして、熊本県特有のものでは三月荒神(みつきこうじん)さまがよく知られています。三ヶ月に1回、いらっしゃる方位が変わるから、「三月荒神」ということなのですが、配慮すべき方角は、
旧暦1月1日から三ヶ月間が「東」
旧暦4月1日から三ヶ月間が「南」
旧暦7月1日から三ヶ月間が「西」
旧暦10月1日から三ヶ月間が「北」
…となります。今年(令和2年)であれば、 ↓ このような感じです。
お客さまのなかで、「三月荒神さまへ配慮してもらえるだろうか」という要望が今回ありましたので、荒神様のお祓いができる神社ということで、西浦荒神社へ足を運んでみました。
引っ越しや、建築工事、土木工事、開店等で、この荒神さまの方角に向かうと祟りがあると考えられています。今回、建替えにあたって短期の引っ越しが必要になりそうなのですが、その場合の取扱いがわかりませんでしたので、西浦荒神社へ問い合わせをしたところ、ごく短期の住み替えであれば、それは旅行と同じ取扱いとなり、方位除災のお祓いをするまではないとのことでした。
総社宮は新しく建てられたばかりのようでした。時期的に七夕飾りがありました。天井に絵が描かれていて、とてもきれい。
社務所にねこがいました。こちらで飼われているのでしょうか…よく人になれていましたよ(*´∀`)
コメント