気温の大きな変動がもたらす血圧変動により、心臓や血管の疾患が起こることをヒートショックといいます。
血圧が急激に変動すると、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞といった症状を発症し、
場合によってはそのまま亡くなってしまうケースもあります。
厚生労働省人口動態統計(令和2年)によると、高齢者が浴槽で溺死し亡くなるケースが4,724人で、交通事故による死亡者数2,199人の2倍にもなります。
その多くが毎年11月から4月にかけて多く発生しているのです。
ヒートショックは軽度であれば、立ちくらみやめまい程度のものですが、重度になると意識喪失、頭痛、嘔吐、脱力等の症状があらわれることがあります。
ヒートショックの正体
血管は寒いときには収縮し、暖かいときには広がる性質があります。
これがゆるやかに起こる分には問題ないのですが、急激な気温変化が起こると、一時的に脳内に血液が回らない貧血の状態になり、意識障害を起こすことがあるのです。
これがヒートショックの正体です。特に高齢者では血圧を一定に保つ機能が衰えていることがあり、高齢者に多く発生する要因となっています。
もっともヒートショックが起こりやすいのは冬場の入浴時と言われ、暖房のきいた暖かい部屋から、
冷えた脱衣所で服を脱ぎ、熱い浴槽にはいると、血圧の乱高下が発生し、そこで意識を失い、浴槽で溺れてしまうということです。
ヒートショックを防止するためには、家のなかに極端に寒い場所を作らないことが大事です。 家の断熱性が低いと、暖房がはいっている部屋とそうでない部屋で、大きな温度差が生まれることになります。 高断熱住宅であれば、室内の熱が外に逃げづらく、家全体の温度が保たれるため、温度変化がゆるやかな家にすることができます。
ヒートショックになりやすい人は、どういう人でしょうか。
まず、ヒートショックは血管の疾患であるため、動脈硬化を起こしている可能性がある人(高血圧、糖尿病、高脂血症等)、
肥満の人、不整脈や睡眠時無呼吸の人が該当します。
また、血圧調整機能が衰える65歳以上の高齢者もなりやすいので、高齢者の入浴時はご家族が気をつけて見ていてあげて欲しいと思います。
飲酒によっても血圧が下がるので、飲酒後すぐの入浴も避けるべきです。
浴室でのヒートショックの防止策
1.浴室の断熱性を高め、浴室暖房乾燥機を設置する。
2.お風呂のお湯を低めの温度に設定する(41度以上で事故が増えるとの報告あり)。また、湯につかるのは10分以内にすること。
3.浴室の床にマットやスノコを置いておく
4.浴槽に入る前にかけ湯をして、体をお湯に徐々に慣れさせる。
5.首までお湯につからない。胸の高さまでにする。
6.浴槽から立ち上がるときには、ゆっくりと。
7.入浴前に水分をじゅうぶんに摂ること。
8.食後すぐの入浴を避ける。(高齢者は食後低血圧が起こることがあります。また食後飲む医薬品により血圧が下がることがあります。)
浴室には浴槽を設置する必要があるために、床面の断熱層がありません。つまり、断熱にただしく配慮されていないと床下から冷気が流れ込み、底冷えするのです。
YOKAIEでは、浴室の基礎部を断熱材でぐるりと囲み、浴室が冷えないようにしています。また、床下の浴槽点検口のドアにも断熱タイプを使用しています。
浴室暖房乾燥機も、OREGA-COREでは標準仕様でご用意しております。(OREGA-PINOでは、2022年9月現在、LIXIL製を選ばれたときのみ浴室暖房乾燥機つきとなります。)
※ただし住宅設備は仕様が変更されることがあるため、担当営業にご確認ください。
OREGA-COREでは、熱交換型の換気システムが標準仕様となっております。
通常の換気扇では捨ててしまう排気熱を熱交換器で回収して、汚れた空気は捨てながらも、熱だけを室内に戻すことができます。
24時間換気システムは法律にもとづき、2時間に1回、全部屋の空気が入れ替わるように設計されていますが、
この排気熱を逃さないことで、冬の室内を暖かい温度に保ちます。
住宅の断熱性能については、各商品ページごとに異なりますので、商品ページにてご確認ください。