今回は固定資産税をわかりやすく説明するほか、どのような設備で税金があがるのかを解説してみます。
マイホームを手に入れたら、家賃支払いがなくなるかわりに、今度は「固定資産税」という税金を払わなくてはいけなくなりますので、家づくりを考える方は、固定資産税のことも前もって考えておくにこしたことはありません。
そもそも固定資産税とは…?
固定資産税とは
1月1日時点で土地建物などの不動産や償却資産を保有している方が負担する税金で、地方税に分類されるものです。(償却資産とは会社が保有している機械や車両、広告塔などを言います)
建物の場合、居住しているかどうかは無関係で、固定資産税課税台帳に1月1日時点での建物の所有者であると記載されていれば、支払い義務があります。
(計算式)
固定資産税の課税標準額×税率(1.4%)=税額
…となります!不動産の価格ではなく、課税標準額というのがポイントで、これは評価時の正常な取引価格とされるものです。課税標準額は、各市町村の役場にて、最新年度の「固定資産評価証明書」を取得すると知ることができます。
※ただし、1月1日時点での所有者が自分ではない場合(たとえば不動産を購入したばかりのとき)は、前所有者の委任状を取得するか、売買契約書と登記簿謄本などで所有権が確認できなければ評価証明書を取得することができません。
税率が軽減される場合もある
- 基本的には税率は1.4%で、市町村から納税通知書が届くので、年4回にわけて納付していくのですが、新築住宅の場合には特例が用意されています。長期優良住宅であればさらに税額が優遇されることになります。
- 新築住宅特例
- 令和6年3月31日までの間に新築された住宅には減額特例が適用されます。特例内容は一般住宅と長期優良住宅(長期に使用するための構造や設備を備えている住宅)で異なります。
【一般住宅分】 住宅の種別 期間 減額割合 対象床面積 (1)一般の住宅((2)以外) 3年度分 2分の1 居住部分に係る床面積で、120m2が限度(120m2を超えるものは120m2相当分まで) (2)3階建以上で耐火構造の住宅 5年度分 【長期優良住宅分】 住宅の種別 期間 減額割合 対象床面積 (1)一般の長期優良住宅((2)以外) 5年度分 2分の1 居住部分に係る床面積で、120m2が限度(120m2を超えるものは120m2相当分まで) (2)3階建以上で耐火構造の長期優良住宅 7年度分
課税標準額はどうやって決まるか
家が完成したのち、2、3か月程度で市町村の固定資産税課から連絡がきます。現地調査の希望日を確認するためです。現地調査では図面が必要になりますので、建設会社から図面をもらっておいてください。(ちなみに現地調査を拒否していると、請け負った建設会社側に確認がはいります。図面や仕様を確認されます。)
現地調査当日になりますと、職員2名くらいで調査に来られます。家の規模にもよりますが、30分くらいかけて、屋外、屋内いずれも見て回ります。天井の高さ、窓のサイズ、壁の質感、いろんなものが固定資産税の課税標準額に影響してきます!
課税標準額をとにかく安くあげようとすると・・・
まず、間違えてはならないのは、固定資産税を安くすることが家づくりの目的ではないことです。家族にとって、より良い家を建てることが最重要課題のはずですよね?固定資産税が高いか安いかは、頭の片隅にでも入れといて、判断に迷ったときに思い出すくらいでよいと思います。
とにかく固定資産税を安くしようとすればどうなるか。
1、トイレは水洗ではない和式便器。
2、システムキッチンではなく、団地用のステンレスキッチン。
3、お風呂は追い焚きなし。足など伸ばせないでサイズ。
4、ドアホンはカメラや録画機能なんてもってのほかで、通話オンリー。
…これじゃ、賃貸アパートよりも悪くなりますね。快適な生活が過ごせる設備ならば、固定資産税が少々上がるとしても欲しいはずです。
ここからは、固定資産税評価額が「意外と高い」「意外と安い」を、お伝えしていきます。
意外と安い
1)ガルバリウム鋼板
ガルバリウムなんて一番高いんじゃないかと思われるかと思います。ところが、実は外壁は窯業系サイディングが7530点。鋼板が6610点なんです。屋根はスレートが13750点で鋼板が12250点。実は屋根も外壁も、窯業系よりガルバのほうが安いんですね。
おそらくは、「鋼板」でひとくくりにされているからだと思われます。トタンの外壁とかと一緒にされてるということです。
通常のガルバリウムのさらに上の「超高耐久ガルバリウム鋼板」なんて、超高性能素材なのに、割安な窯業系サイディングより安いんだから、びっくりしますね。
2)カーポート
カーポートつけると固定資産税が高くなると思いますよね。無いよりは固定資産税が上がらないってことはないと思いますね。ところが固定資産税はかからないのです。(建ぺい率には算入されますよ!)
外気分断性といって、「壁が三方向以上にあって屋根があるもの」が課税対象になりますので、カーポートは横に壁がないため課税されないのです。だから壁が三方向にあるガレージタイプだと固定資産税の対象になりますので要注意です。
3)吹き抜け
固定資産税は延床面積での課税になりますので、吹き抜けを作ると2階の床面積がその分減るので、固定資産税はむしろ減ります。
※ただし、天井高が2.4mを超えている部分は、内壁の補正が1.2倍になりますよ。
意外と高い
1)システムキッチン
一般的な255cmタイプで297,800点。大きいやつだと1.15倍なので327,580点ですね。
これがステンレスの流し台、団地にあるようなやつだと48,200点なので、たとえばサブキッチンを置きたいときに、それがシステムキッチンじゃなくていいなら、ステンレス流し台にすると固定資産税は安く抑えられますね。
2)屋根一体型太陽光設備
屋根自体がソーラーパネルになっているタイプがありますが、これは建床面積1㎡あたり23,930点。ガルバが12,250点だったですので、じつに2倍になります。
3)ホームエレベーター
これは意外と…というか、高くて当たり前だろうな、って感じですけど。
これ1つで1,788,000点にもなります。一般家庭でこれをつけてる家を見たことがありませんけどね。
4)開閉式の天窓
天窓1つで、基本が102,900点。大きいものだと1.4倍になるので144,060点です。天窓は雨漏りの原因になりかねないので、弊社ではそもそもあまり薦めてはおりません。
いかがでしたでしょうか。参考になれば幸いです。さらに詳しく知りたい方や、個別にご相談されたい方は、弊社までご連絡くださいませ。
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