毎年冬になると、築45年の老朽化アパート暮らしには辛い季節になります…。
住宅の「結露」「カビ」「乾燥」「冷え」などに悩まされている方は多いと思います。せっかく新築するのであれば、冬場のトラブルと無縁の家にしたいですよね。そのためのコツをご紹介いたします。
真冬のトラブルその1「耐えがたい寒さ」
断熱性能が不足するお家は、暖房で温めたそばから冷えていきます。暖房を消した瞬間に極寒の世界…。高齢者がいる場合には、ヒートショックなどの深刻な健康被害にもつながってきます。
【原因その1】窓ガラス・玄関ドアの断熱性の不足
屋外の冷気の主な侵入経路となるのは、窓や玄関ドアなどの「開口部」と言われる部分です。「窓ガラス」部分だけではなく、そのフレームである「サッシ」部分からも、冷気が侵入してきます。
そのため、ペアガラス(二重ガラス)にするのはもちろん、サッシもアルミではなく、熱を通しにくい樹脂製や木製を選ぶようにしましょう。玄関ドアも、高断熱タイプを選ぶようにしましょう。できれば、採光用のガラス部分を持たないものが断熱性を考えるとオススメです。
【原因その2】断熱材の不足
壁の中や、屋根、床下、基礎に断熱材をいれますが、これが不足していたり、なかったりすると、断熱性能が悪くなります。2025年4月より断熱等級4以上の断熱性能が求められますが、これはあくまでも最低水準です。できれば、断熱等級5以上の家にしたいものです。
【原因その3】気密性の不足
意図しないところから外気が侵入してくるようだと、寒い家になってしまいます。そのため、気密性を高める工夫がしてあるのかは、要確認事項です。換気扇などの貫通部から外気が侵入することが多いので、貫通部の気密処理がしっかりしてあるかどうかが重要です。
吹付断熱材の場合は、それ自体が気密性を持たせてくれます。
真冬のトラブルその2「結露」
冬場の窓ガラスに水滴がビッシリ…!という家を見たことはありませんか?窓枠の下に、たくさんの水滴がたまり、カーテンの白いレースに黒いカビが生えてきます。
この状態を放置すると、カビによる健康被害が起こるほか、家の木材が湿気で腐り、お家の寿命を縮めてしまいます。
【原因】
断熱性が低い住宅では、寒暖差が原因で結露が発生しやすくなります。室内と屋外で寒暖差があり、室内に湿気が多い場合に、結露が発生してしまいます。
結露はどのように発生するのですか?
結露のメカニズムを理解するためには、まず飽和水蒸気量という概念を理解しておく必要があります。これは、簡単にいえば、「空気は温度によって含める水蒸気量が変わる」ということ。
暖かければ暖かいほど、たくさんの水蒸気を含むことができ、逆に気温が低い場合、水蒸気をあまり含むことができないということです。
室内の湿気を帯びた暖かい空気が、冷えた窓ガラスに近づくことで急激に冷やされると、空気が湿気を含みきれなくなり、水滴として現れます。
【対策】加湿器の使用をやめる、窓ガラスの断熱性を高める
結露の原因の1つは室内の湿気ですので、加湿器の使用を控えるのは対策の1つとなります。これは最も簡単にできる対策である反面、室内の乾燥というデメリットも発生します。
最も理想的な対策としては、結露の原因のもう1つの原因である「室内と屋外の寒暖差をなくす」ということです。お家の断熱性を高めて、高断熱な窓ガラス・サッシを用いれば、窓際で室内の空気が急激に冷やされることがなくなります。高断熱窓ガラス・サッシは、冬場に触ってもあまり冷たくありません。外気の冷たさを室内に伝えないような構造になっているのです。
いかがでしたでしょうか。その他、外気温がマイナス4度を頻繁に下回るような地域では、水道管の凍結対策を考えなくてはいけませんし、豪雪地帯では屋根の積雪対策も考えなくてはなりません。
断熱性を高めるなどの措置は、家が建ってしまったあとでは壁をはがさないといけないなど、おおごとになります。家づくりの段階で、真冬にトラブルのない家づくりをしていきましょう。
コメント