今回は屋根のお話です。

 

新築住宅でもっともあってはならない、雨漏り。建築用語では、室内に雨水がはいりこまないようにする仕組み・構造のことを、「雨仕舞い(あまじまい)」といいます。

 

 

その雨仕舞いは、二段構えになっており、「一次防水」を抜けてくる雨水があったとしても、「二次防水」で止められるようになっています。

 

一次防水とは屋根材での防水のことを指し、二次防水とはその下部にあるルーフィングシートが担うことになります。屋根材が破損しているのでなくても、暴風雨などの際には室内に雨水が侵入してしまうことがありますが、ルーフィングシートが破れていなければ雨漏りすることはありません。

 

 

屋根を葺く前の構造を見てみましょう。

 

白いシートをはりつけてある横架材のことを、母屋(もや)といいます。この白いシートのことを透湿防水防風シートといいます。水は通さないけど湿気は通すという性質を持っていて、屋根裏にたまった湿気を通気層に逃がす役割をします。

 

 

透湿防水防風シートの上から垂木をならべて母屋に留め付け、野地板をこのようにならべます。

 

 

野地板にひかれている黒い板紙こそが、二次防水の役割を担うルーフィングシートです。一般的に多く使われるのはアスファルトルーフィングというもので、板紙にアスファルトを染み込ませたものです。欠点としては、温度変化に弱いというものがあり、温度変化による状態変化が繰り返されるうち、劣化がすすんでいきます。

 

屋根がもっとも高い側を「水上(みずかみ)」、屋根がもっとも低い側を「水下(みずしも)」といいますが、このように、水下側から順番に重ねていきます。重ね代は20cm以上確保しています。

 

 

アスファルトルーフィングが10年ほどで劣化がはじまっていくと言われていますが、その欠点を克服すべく開発されたのが、当社でも採用している改質ゴムアスファルトルーフィングです。

 

アスファルトルーフィングに合成樹脂などを練り込むことで状態変化に強くしたもので、耐久性は20年以上と高寿命となっています。

 

 

ルーフィングシートは縁の下の力持ち的な存在で、一見地味ですが、家の構造上とても大事な役割をするもので、家の寿命に直結するものです。

 

見えないぶん、手抜きをされかねない部分でもありますので、家づくりをご検討中のかたは、見えない部分にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。